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2026 / 10 / 05 ベストプラクティス

税理士事務所のRAGは何をテストする?年度・顧問先・根拠を確かめる評価表

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所内RAGの回答が正しいか、どう評価する?年度違い・顧問先違い・資料不足を含むテスト例と記録表で、検索結果、回答の根拠、回答保留、権限を分けて確認します。

所内RAGを評価するときは、必要な資料を取得できたか、その資料に沿って答えたか、必要な条件を落としていないかを分けて確認してください。さらに、資料がない質問への回答保留と、権限のない情報を出さないことを試験項目に加えます。

この記事は、税理士事務所が検証用の質問と評価表を作るための提案です。特定事務所での正答率や、製品の優劣を報告するものではありません。

RAGの「精度」を一つの点数で決めてよい?

MicrosoftのRAG評価資料は、文書検索の評価と、回答の根拠への整合、質問への関連性、期待する情報の網羅を分けています。回答が資料に沿っていることと、必要な内容を漏らさず含むことも別の観点です。RAGの評価項目

事務所の評価表でも「正解・不正解」だけで終えず、どこで失敗したかを記録してください。例えば、旧年度の資料を取得した場合と、正しい資料を取得したのに年度を取り違えて答えた場合では、直す対象が違います。これは評価項目を説明するための設計例です。

どんな質問をテストに入れる?

まず、入力許可のある資料から、担当者が正解と根拠箇所を確認できる質問を作ります。顧問先の区別や権限を試す際は、実データを無断で複製せず、検証用の資料と利用者を用意してください。

次の表はテストの設計例です。各例の合否条件は、事務所の業務と資料に合わせて具体化します。

試す状況質問・入力の例確認する結果
同じ顧問先の複数年度「顧問先Aの対象年度の月次確認手順は?」指定年度の資料と版を使い、別年度の条件を混ぜない
名前が似た顧問先顧問先Aと顧問先A支店を分けて質問する対象を識別し、不明なら確認を求める
旧版と現行版「現在の所内チェック手順は?」現行版を根拠にし、旧版を現行の指示として返さない
複数箇所が必要「提出資料と、その例外を教えて」本文だけでなく例外の注記も参照する
資料に答えがない登録されていない担当者の決定事項を尋ねる推測で決定事項を作らず、資料から確認できない旨を伝える
資料同士が矛盾する異なる期限が書かれた検証用資料を渡す不一致と出典を示し、根拠なく片方を確定しない
閲覧権限がない担当外の検証用顧問先について質問する本文・引用・要約・検索結果から制限情報を出さない
更新・取り下げがある文書の更新前後に同じ質問をする定めた反映条件に従って新版を参照し、除外資料を使わない

「答えないことが正解」の質問を含めるのが、この表のポイントです。通常の質問への回答ができた場合も、保留や権限の試験は別に確認します。

結果はどの列に記録する?

表計算で始めるなら、次の項目を一つの質問につき一行で残します。回答は評価者の要約だけにせず、実際の出力を保存してください。

記録項目記入する内容
質問・対象質問文、検証用の顧問先、年度、利用者の役割
期待する結果回答すべき内容、または保留すべき理由
正解の根拠文書名、版、ページ・見出し、確認した担当者
検索結果実際に取得した文書と箇所。取得できなければその旨
回答結果回答全文と引用先
判定検索、根拠との整合、条件の漏れ、保留、権限を別々に判定
再試験の条件実行日、モデル・検索設定・資料の版、修正箇所、再試験結果

NISTのAI RMFも、評価に使うテスト集合、指標、ツールの詳細を文書化する項目を設けています。上の表は、その観点を所内の確認作業へ落とした提案です。AI RMF Core:MEASURE 2.1

不合格なら、どこから直す?

正解の資料が検索結果にない場合は、まず取り込み結果、文書の分割、顧問先・年度・権限の絞り込みを確認します。正解の資料があるのに回答が違う場合は、質問の条件と引用箇所を照合し、どの条件が抜けたかを特定してください。

読み取りが原因ならPDFをAI検索で読み取れないときの確認手順、用語や対象の関係が曖昧ならオントロジーと用語集・RAGの違いを参照できます。

修正前後は同じ質問で比較し、他の項目に新たな不合格が出ていないかも確認します。AIによる採点を補助に使う場合も、税務上の判断や根拠資料の正しさは担当者が確認してください。少数の質問の合格を、すべての顧問先・年度で使える保証にせず、確認した範囲と残る制限を記録して採用範囲を決めます。