2026年9月30日訂正:旧稿の公募回ごとの配点変更や事務所の運用実績について、根拠を示せない説明を削除しました。AIに版を答えさせるだけで確認を終えず、実際の原文と照合する手順に改めました。
公募要領のAI要約を顧問先へ渡す前に、対象となる制度・公募回・版をそろえ、必須要件と加点を分けて原文と照合しましょう。 AIが出したページ番号や引用文も、確認担当者が実際の資料を開いて確かめます。
この記事は、行政書士など補助金相談を受ける方に向けた確認手順の提案です。実在の採択事例や時間削減の実測を紹介するものではありません。制度の具体例は2026年9月30日に確認した公式案内に基づきます。個別案件の申請可否は、対象公募の要領と申請者の資料を照合して判断してください。
どの制度・公募回の資料を要約するか?
最初に事務局の公式サイトから対象の公募要領を開き、制度名、年度、公募回、申請枠、改訂日を確認します。検索結果や以前保存したPDFだけで対象資料を決めず、改訂のお知らせや関連するFAQも確認対象に含めましょう。
似た名称の資料を混ぜないことも大切です。たとえば「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の公式サイトは、「中小企業新事業進出補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金だと明記しています。名称が似ているという理由で、別制度の条件を引き継がないでください。1
要約に使った資料は、公式URL、取得日、資料に記された改訂日と一緒に保存する方法を勧めます。改訂日の記載がなければ「記載なし」と残し、取得日を改訂日として扱わないでください。
必須要件と加点は、どう分けて確認するか?
要約の箇条書きをそのまま申請条件の一覧にせず、原文の見出しと対象枠を一緒に読みます。次は、公式案内で区別されている条件を確認する例です。
| 確認する箇所 | 公式案内に書かれている条件 | 要約に残す区別 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026の申請に必須な手続き | 全申請枠・類型について、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言を要件として案内 | 一つ星も含む必須要件として記録する |
| 同案内の加点に必要な手続き | セキュリティ対策推進枠の項目として、SECURITY ACTIONの二つ星の宣言を掲載 | 対象枠を付けて加点項目として記録する |
出典は同制度の「申請を行う前に必要な手続き」です。2 この二つをまとめて「すべての申請で二つ星が必須」と書くと、要件と加点、適用範囲の区別が失われます。表は条件の読み分けを示すもので、申請に必要な全要件の一覧ではありません。
AIには、どの形で要約を頼むか?
以下は、公表済みの公募要領を整理するための指示例です。顧問先の事業計画や個人情報を追加せず、まず公開資料だけで試します。
添付した公募要領について、制度名・公募回・申請枠・資料の版を最初に列挙してください。資料にない項目は「確認できない」と記してください。
各条件を「必須要件」「加点」「対象外」「申請後の義務」に分けて表にしてください。条件ごとに対象者・対象枠、例外や留保、期限、根拠となる見出しとページを付けてください。複数の条件に該当するものは、区分ごとに別の行にしてください。
原文に根拠が見つからない条件は推測で補わず、確認待ちとして分けてください。申請者が要件を満たすか、採択されるかは判定しないでください。
この指示を使っても、出力を確認済みにはしません。出典欄は原文を探すための手掛かりとして使い、担当者が該当箇所とその前後、注記を読み直します。AIへ「本当に正しいか」と再質問するだけで照合を終えないようにしましょう。
顧問先へ渡す前に埋める確認表
確認表は、要約の条件ごとに次の項目を埋める形を提案します。空欄を「該当なし」と決めつけず、確認待ちとして残します。
| 記録する項目 | 確認担当者が行うこと |
|---|---|
| 要約した条件と区分 | 必須・加点・対象外・申請後の義務を原文と照合する |
| 適用範囲 | 対象者、申請枠、対象経費など、その条件が掛かる範囲を確認する |
| 根拠の場所 | 公式URL、資料名、版、見出し、資料に記されたページ番号を残す |
| 例外・留保 | 「ただし」「除く」「いずれか」「すべて」などの条件を読み落としていないか確認する |
| 期限・判定時点 | 申請締切と、各要件を満たすべき時点を分けて確認する |
| 顧問先の状況 | 条件の説明と、顧問先が条件を満たすことの確認を別欄にする |
| 確認結果 | 確認者・確認日・未解決の疑問・問い合わせ先を記録する |
原文が見つからない、別の版と内容が食い違う、例外の適用を判断できない場合は、その条件の回答を保留します。 該当資料と疑問点をそろえて事務局などの確認先へ問い合わせ、回答日と対象公募を記録してから送付文へ反映する手順を勧めます。
送付文には何を残すか?
送付する文書には、参照した制度・公募回・申請枠・資料の版、確認日を付けます。「公募要領に書かれた条件」「顧問先の資料で確認した事実」「まだ回答できない点」を分け、要領の要約だけで顧問先の適格性まで確認したように見せないことを勧めます。
「AIで作成した要約」という注記だけで、確認の代わりにしないでください。送付前の確認担当者と、訂正が必要になった場合の連絡担当者も決めておきます。
送付後は、実際に渡した文書、照合に使った資料、確認表、問い合わせへの回答を同じ案件からたどれるように保存します。後から資料が改訂された場合は、前の送付版を残したうえで、変更箇所と追加確認の要否を整理する方法があります。
要領の条件を確認した後、申請書を作成する工程は補助金申請書をAIで書くときの確認手順で扱っています。AI出力を顧問先へ渡す際の担当分担はAI出力の責任と納品前の確認も参照してください。
参考資料
Footnotes
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中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」。従来の制度との区別を確認。2026年9月30日確認。 ↩
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デジタル化・AI導入補助金2026「申請を行う前に必要な手続き」。「申請に必須な手続き」と「加点に必要な手続き」を照合。2026年9月30日確認。 ↩