AI導入への補助金を検討するなら、改善したい業務、導入するITツール、申請する枠の対応を確認します。「AIという名前の製品だから対象」と判断せず、対象年度の公募要領と登録されたツール情報に戻るのが出発点です。
旧称のIT導入補助金を探している方は、デジタル化・AI導入補助金2026の公式サイトを確認してください。この記事では、2026年9月14日に確認した公式案内をもとに、士業事務所が顧問先の相談を整理する手順を紹介します。
申請枠とITツールはどちらから確認する?
まず、どの業務をどう変えたいかを書き出し、候補ツールと枠を照合します。公式サイトは、通常枠、インボイス枠の二つの類型、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠を案内しています。公式の申請フローと枠一覧
相談の整理には、次の表を使います。対象かどうかは、希望する用途だけで決めず、該当する公募要領とツールの登録内容を確認してください。
| 項目 | 確認して記録すること |
|---|---|
| 業務 | 対象の作業、現在の手間、変えたい内容 |
| ツール | 名称・提供者・機能・登録情報・利用予定期間 |
| 申請者 | 事業内容・規模など、対象者の条件に関係する情報 |
| 枠・経費 | 対象とする枠、計上する費用、条件の根拠箇所 |
| 期限 | 対象回の締切と、前提手続きの進捗 |
| 判断 | 確認済みの項目、追加で確認する項目、担当者 |
導入の目的を補助金に合わせて書き換えるのではなく、元の業務上の必要性を残します。対象外の費用も含む総費用と継続費用を把握し、補助金を使う場合の条件と併せて比較します。
GビズIDとSECURITY ACTIONは何が必要?
公式の事前手続きページは、全枠・類型についてGビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言を要件として示しています。宣言は一つ星または二つ星です。一方、セキュリティ対策推進枠の二つ星は、同ページで加点に必要な手続きとして掲載されています。必須要件と加点条件を分けて確認してください。申請前に必要な手続き
顧問先側では、取得・宣言の状況と、手続きを担当する人を確認します。IDの有無だけでなく、実際に利用できる状態か、申請時に必要な情報を準備できるかを確かめます。認証情報を相談メールに貼り付けてもらう運用にはしないようにします。
公式案内には取得に要する期間の目安もありますが、個別の完了日を保証するものとして予定表へ入れないでください。取得方法と申請状況を確認し、締切に対してどの手続きが残るかを整理します。
IT導入支援事業者と申請者は何を分担する?
公式フローでは、IT導入支援事業者とITツールを選び、事業計画を共同作成する流れが示されています。申請者側の情報入力・書類添付、支援事業者側のツール情報等の入力を経て、申請者が内容を最終確認し、宣誓して提出します。複数者連携デジタル化・AI導入枠には別の手続きが案内されています。公式の手続き詳細
士業が支援する場合も、誰が資料を用意し、誰が入力し、誰が確認・提出するかを決めます。事業者と共同で進めることを、本人の確認や提出操作が不要になることへ読み替えないようにします。
ツール選定時には、業務の使い方に加え、データの取扱い、権限、運用中の問い合わせ、解約時のデータ引き継ぎを確認してください。制度上の対象確認と、事務所・顧問先の業務で採用できるかの確認は、両方を残します。
金額と締切はどこへ記録する?
相談時点の公募要領から、該当する枠・回の条件を取得します。金額だけを回答文へ転記せず、補助率、上限、対象経費、適用条件、資料の版・確認日を対応付けます。確認していない項目は、見込みの金額で埋めないようにします。
また、交付申請の原稿が完成したこと、提出が済んだこと、交付決定を受けたことを別々に管理します。契約・発注・支払い等の着手時期も、対象枠の公募要領を確認して決めます。申請準備中という理由だけで支出を進めない手順にします。
顧問先に回答する際は、対象業務と候補ツール、確認した条件、残る手続き、次の担当を一緒に示してください。これにより、「使えるか」という質問を、何を確認すれば判断できるかまで具体化できます。